コラム

オープンイノベーションが日本で加速する理由とは

2016.05.17

ここ最近、日本でもオープンイノベーションに積極的な
大手企業が増えてきました。
空前のオープンイノベーションブームの到来です。

 

オープンイノベーションとは

オープンイノベーションとは、研究開発の場面や自社で解決できない
課題に対して、社外のリソースやアイデアを活用する考え方です。
業界を超え、自社にはない優れた技術やアイデアを取り入れることで、
革新的な研究開発や新製品開発を圧倒的なスピードで
実現できることが期待されます。

このオープンイノベーションの概念は、ヘンリー・チェスブロウ博士
により提唱され、2000年頃より世界中で広まっていきましたが、
すべて自社だけで解決を図ろうとする自前主義の日本では、
あまり普及していきませんでした。
日本のメーカーは、自社の技術に自信を持っている場合が多く、
他力を借りて開発を進めることが得意ではありません。

また、必要な技術を社外に求める際に、自社の開発ニーズや技術力が
外部に流出することを恐れています。
クローズドな開発が一般的であった日本においては、
オープンイノベーションは現場レベルでの抵抗感も強くありました。

オープンイノベーションのイメージ写真

 

日本でオープンイノベーションが加速する理由とは


スピードが重視される時代

しかしながら、顧客が求める製品やサービスは多様化し、
それらの製品開発を圧倒的なスピードで実現することが
要求されるようになってきました。
市場や競合は、常にグローバル規模で展開されており、
他社よりも早く優れた製品やサービスを投入しなければ、
世界で戦っていけません。
そのような背景のもと、日本でもオープンイノベーションの
浸透は必須であると考えています。

時間をかけて研究開発を行っていくことも大切ですが、
社外の技術を取り込むことで研究開発のスピードが加速し、
機会を捉えられるのであれば、後者の選択は効率的です。
現に、日本の大手企業では中小・ベンチャー企業との
アライアンスや大学・研究機関との連携を加速させ、
社外に対し技術やアイデアを
積極的に求める場面が
増えてきています。

さらに、期待が高まるIoT実現のためには、
業界に捉われない革新的なアイデアや保有技術の公開も
必要になってきます。
最近では、大手企業の特許無償化のニュースもあり、
これまでの自前主義(クローズドイノベーション)の日本のモデルが、
ついに変革に突入したと捉えています。

 

オープンイノベーションを促進する技術仲介企業の存在

オープンイノベーションによって、社外に技術やアイデアを
求めるといっても、今まではどのようにして実現していけば良いか
試行錯誤の連続でした。
一般的には、自社のホームページで募集する方法でしたが、
自社のニーズが公の場に出てしまう問題や、
業界を超えた認知が難しいといった問題がありました。

しかし、ここ1~2年にて、大企業のニーズと中小企業のシーズを
マッチングする、まさにオープンイノベーションを実現する
技術仲介企業が日本でも誕生しています。
仲介企業であれば、匿名での応募が可能となり、
情報漏えいのリスクが抑えられ、応募する側としては安心です。

さらに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を事務局とする
オープンイノベーション協議会(JOIC)が平成27年2月に設立され、
オープンイノベーション推進を目的とした各種イベントの開催や、
これまでのオープンイノベーション成功事例の共有など、
国内でのオープンイノベーション普及に向けた活動を広く展開しています。

今後、研究開発や課題解決のスピードを優先したいのであれば、
オープンイノベーションを使わない手はないと思います。

 

オープンイノベーションは、企業同士だけではない

ここまでオープンイノベーションについて触れてきましたが、
この考え方は、「企業と企業」のマッチングだけではありません。
「企業と専門家」のマッチングも極めて有効です。

一般的な「企業と企業」のマッチングでは、ニーズを発信する企業は、
具体的な課題をどのような切り口で解決するかを明確にし、
そのテーマに関する技術シーズを探索します。

例えば、「液体中のある物質だけを採取したい」ニーズにおいて、
「フィルタリング」するのか、「吸着剤に吸着」させるのか、
または「沈殿させるのか」など、いろいろアプローチがあります。
そして、それぞれのアプローチに対して実現可能な
技術シーズを探索します。

しかしながら、本質的な「物質の採取」を実現するにあたり、
上記にはない革新的なアイデアを創造するのは、
最終的に専門家個人の力量になります。
「革新的なアイデア」は、オープンイノベーションの
最上位の成果であり、異分野の専門家こそが
それを実現する存在であろうと考えています。

私は、高度なシニア技術者がもっと活躍でき、
その高等な知識・経験・知見を次世代へ継承しながら
日本のものづくりに貢献することを使命に活動しています。

高度なシニア技術者の知見とオープンイノベーションの
親和性は高いと考えており、異分野の既存技術を組み合わせた
革新的な製品やサービスが世の中に出る日を楽しみに、
今後も活動を進めていきたいと思っています。

 

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