コラム

輸入事業者として注意すべき電安法の義務

2022.11.30

輸入事業者として注意すべき電安法の義務

1. 家電機器の輸入・インターネット取引の市場規模拡大と製品事故

1-1.家電機器の輸入・インターネット取引の動向

我が国においては、中国をはじめとする東南アジア諸国への製造委託する傾向は続き、家電機器の輸入金額推移は財務省・貿易統計によると、2020年輸入額は1兆442億円(2010年対比158%)となっている。
また、消費者向けインターネット取引(以下、 BtoC-ECと称す)の市場も拡大を続け、経産省報告書「令和元年度・電子商取引に関する市場調査」によると図1に示すように2019 年市場規模は19兆3609億円(2010年対比249%)となっている。その中で物販系市場規模は、家電関係規模が1兆8239億円で物販系市場規模の約18%を占めている。

BtoC–EC市場規模推移の図

図1. BtoC–EC市場規模推移(出典:経産省・市場調査報告書)

1-2.輸入品及BtoC-ECでの重大製品事故件数推移

上記した輸入品の増加及びBtoC-ECの拡大に伴い製品事故が増加傾向にある。経産省報告書「2020年の製品事故発生状況及び課題」によると、図2に示したように重大製品事故(死亡事故、30日以上の治療期間を有する重症、消防が認定した火災、CO中毒事故、後遺障害事故)件数は国内生産品が減少傾向にあるのに対し外国産は増加している。
また、重大製品事故の製品入手経路別の比率を見ると、BtoC-ECで購入した製品の事故も増加傾向にあり、2020年は全体の10%超となっている(図3)。

生産国別重大製品事故件数推移の図

図2. 生産国別重大製品事故件数推移(出典:経産省・報告書)

製品入手経路別製品事故比率推移の図

図3. 製品入手経路別製品事故比率推移(出典:経産省・報告書)

 

2. 輸入事業者が負う電安法の適用対象製品と義務

上記のような状況において、「電気用品の製造、販売を規制するとともに、電気用品の安全性確保につき民間事業者の自主的活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止する」を目的に制定されている法律に電気用品安全法(以下、電安法と称す)がある。
電安法の規制対象製品は、電力会社が供給する交流100V、200V等の商用電源に接続される電気用品等である。その規制対象製品,適用対象の事業者およびその事業者が実施すべき対象フローは、別稿「電安法の対象製品と事業者の義務および対応フロー」にて記載しているので参考にしてほしい。
ここで注意しなければならないことは、電気用品を外国から日本国内に引き取る行為(通関)を事業として行う者(輸入事業者)も電安法の適用対象事業者となり、製造事業者や販売事業者と同等の義務を負うことである。上述の通り、インターネット取引による輸入品が増加する中で、これらを扱う個人を含む輸入事業者としては特に注意が必要である。
電安法の違反事業者には、国からの厳しい改善命令やリコールがあり、必要に応じて罰金刑や懲役刑もある。 電安法適用製品を輸入する事業者は、当該製品を製造・販売する事業者と同様に、電安法の目的を理解し遵守することが重要である。
電安法遵守には技術的知見も必要であり、電安法対象品と思われる製品を初めて輸入する場合は、当該専門家の技術コンサルティングを受けることを推奨する。

 

株式会社英知継承では、本テーマに関して当該専門家による技術コンサルティングが可能です。下記よりお気軽にお問い合わせください。

お問合せ2

 

▼「製品安全・リスクアセスメント」に関連する技術解説一覧

製品事故(リコール)の事例と法規制

電安法の対象製品と事業者の義務および対応フロー

  • 技術のアドバイスが欲しいあなた! 技術アドバイザーをお考えの方!はこちらから!

    お問い合わせはこちら
  • 技術のアドバイスが欲しいあなた! 技術アドバイザーをお考えの方!はこちらから!

    技術アドバイザー登録