コラム

新規事業立ち上げ時に最初にすべき重要なプロセスとは

2016.02.28

こんにちは、技術継承.comの福井です。

先日まで、新規事業立ち上げに関する勉強のため、
「リーン・スタートアップ」の短期プログラムに参加していました。

リーン・スタートアップとは、新規事業立ち上げのための
効率的な仮説検証プロセスとそのマネジメント理論になります。
「リーン」は、「無駄がなく効率的な」を意味します。

具体的には、新規事業立ち上げにあたり、
出来る限り「安く・早い」サイクルでビジネスの仮説検証を繰り返し、
市場やユーザーニーズを探る手法や考え方になります。

「ヒト・モノ・カネ」の資源を投資した結果、
結局は誰も欲しがらない製品やサービスを世に送り出し、
大きな失敗をするケースは少なくありません。

つまり、新規事業(新製品や新規サービス)に対して
どんなに売れる自信があったとしても、それは思い込みに過ぎず、
結局のところは市場に投入してみないと売れるかどうかが
わからないという事です。
売れなければ、その新規事業立ち上げに費やした時間・労力・資源は、
全て無駄になってしまいます。

リーン・スタートアップでは、そのような無駄を最小限にするため、
大きな投資をする前に、その事業の仮説検証を繰り返し、
方向性を探っていきます。

具体的なプロセスとしては、①仮説構築,②検証方法の検討,
③検証の実行,④考察
のように、仮説検証のサイクルを回します。新規事業立上げ時のサイクルの画像

「①仮説構築(自身のアイデア)」は、非常に重要ですが、
リーンな考え方として、「②検証方法の検討」がポイントになります。

安く・早くできる検証方法は、「顧客へのインタビュー」です。
顧客インタビューでは、ニーズが本当にあるのか、
いくらだったら買うのか、この製品をなぜ欲しいと思うのか、
などを探るのです。

ここで注意が必要なのが、その製品を買う気がないけど、
「こんな機能もあったらいいね!」などと、
いろいろアドバスをくれる人です。
そのような人は、その製品やサービスに対して切実なニーズがなく、
意見を言ってくれるが結局のところ買ってくれないからです。

重要なのは、今ここにはないアイデア段階の製品・サービスに対して、
切実なニーズがあり、本当に買いたいと思っている人の意見です。

そして、その顧客インタビューをもとに、
現状の仮説が間違っていないか、修正が必要か、どのように
修正していくか、を「④考察」していきます。

上記のサイクルを繰り返し行っていくことで、
開発や試作などの大きな投資をする前に、
新規事業の柔軟な軌道修正が可能となります。
そして結果的に、「ヒト・モノ・カネ」を無駄なく効率的に
投資することができます。

このように、新規事業の立ち上げでは
このリーン・スタートアップは非常に効果的です。

さらに、新規事業の方向性が決まってからも、
このリーンな考え方とプロセスが重要となります。

いきなりの新規事業組織の配置はリスクがあるため、
多くの場合はプロジェクトチームを発足することと思います。

そして、自社にない技術が必要な場合は、その専門知識を持つ
人材採用を考えるケースもあることでしょう。
ヘッドハンティングが必要であれば、多額の投資となります。

しかし、ここでも最初から人材採用などの大規模な投資をするのでなく、
スポット的な技術顧問からのアドバイスやヒヤリングが有効です。
技術的な難易度や生産性・コスト等を事前に検証しておくことで
早い段階での軌道修正ができます。

このような多様化の時代では、今後益々新規事業や事業多角化の
必要性が高まっていきます。
その中で、いかにして「安く・早く・テンポ良く」新規事業を
軌道に乗せるかは、多くの企業で共通の課題ではないでしょうか?

新規事業立ち上げの際には、「リーン・スタートアップ」を
是非お薦めしたいです。
本もたくさん出版されていますので、参考にされてはいかがでしょうか。

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